小児科で見かける主な症状について
1. 発熱を認める疾患
発熱はお子さんの症状の中でも最も多い症状の一つですね。
原因として一番多いのはウイルス性の上気道炎や気管支炎です。これらは発熱と軽いせきや鼻汁を認めますが数日間で治ることが多いです。
けれども小児の発熱の中には尿路感染などの細菌性の感染症や川崎病などの初期症状が隠されている場合もあります。
発熱を認めた場合、お子様の具合がぐったりする、哺乳力や食欲が落ちているなどのいつもと違う症状がある場合は必ず小児科を受診するようにしましょう。
またお熱が続く場合には発熱の経過を記録し5日以上続く場合には必ず再受診してください。
特に生後1歳未満のお子様の発熱には必要に応じて血液検査を行い細菌感染の疑いが強い場合には地域連携病院をご紹介させていただいております。
2. 咳やぜいぜいなどの呼吸器疾患
典型的な疾患としては気管支喘息やR Sウイルス感染症です。
気管支喘息は生まれ持った体質に起因することが多くウイルス性の感冒などによって症状が引き起こされます。一方、R Sウイルスは流行性の疾患です。
どちらもヒューヒュー、ゼイゼイしたりすることが多いので院内で吸入したり酸素が必要となり入院になることもあります。
中には先天性の気管支の異常や異物誤嚥などのケースもありますのでお子さんがゼイゼイしている場合には早目に小児科を受診するようにしましょう。
3. 下痢や嘔吐などの消化器疾患
お子さんが下痢や嘔吐を認めるときはロタウイルスやノロウイルスなどが原因となるウイルス性胃腸炎が主な疾患です。
最近はロタウイルスワクチンの普及により重症な脱水症状を認める患者さんは少なくなりましたが、ぐったりしている場合や顔色が悪い場合は軽い脱水や低血糖を認めることがありますので注意が必要です。またご家族の方にも感染してしまうケースもあるので300倍に希釈した次亜塩素酸(ハイター)での消毒などにも心がけましょう。血便や粘液便を認める場合には細菌性腸炎や腸重積症などの重篤な疾患のケースもあるので注意が必要です。